リニューアル版「不思議なクニの憲法」上映会に行ってきました!

リニューアル版「不思議なクニの憲法」上映会に行ってきました!

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こんばんわ!11月もあと数日。雨がシトシト降っていますね。雨が降るたびに温度が下がって、冬に向かっていくのが分かります。

11月8日に四ツ谷でリニューアル版の「不思議なクニの憲法」の上映会があり、行ってきました。

上映会後、松井監督が登壇しました。今年5月に公開され、全国で300か所近く自主上映会が展開したそうです。実は従来版の上映時間が2時間2分と長く、リニューアル版は短くしてほしいとの要望があったそうですが、今後の憲法論議が長く続くことを想定した内容を含み、2時間30分のロングバージョンとなったとのことでした。前半70分のところで10秒間のインターバルが入り、後半80分程度の内容。ボリュームが確かにあったので、一瞬、「上映会するの、きついなあ」と思ったけど、松井監督いわく、「インターバルをはさんで休憩を入れたり、議論入れたり様々な使い方を・・・」と教授があり、なるほどと思ったところでした。

映画の前半は、従来版のうち、主要なところがそのまま残っていてコンパクトになった印象。でも、いろんな立場からの発言はそのままなので、考える材料になっている。

そして、後半は、松井監督が今後の憲法論議に対する問題提起がされている。改正論議の中心にある9条、24条などをどう見ていくのか。護憲派がただ「変えるな」とばかり言っていては、理想の空虚化は進むばかり。具体的な議論の土俵に乗って考える必要性が描かれている。考えることなく過ごせた時代はとうに終わっている。政治家任せの国民主権を脱皮するときに来たんだなあと感じた。

 

さて、今回は上映会の後に、伊勢崎さんがミニトークで登壇した。伊勢崎さんは護憲派として知られるが、映画では護憲派に辛口のコメントを発し9条の改正を訴えている。国連スタッフとして9条を実質的に使ってきた立場からの発言は説得力があって、映画の中でも印象が強い場面だ。

ミニトークでは、伊勢崎さんから9条と集団的自衛権、交戦権についての丁寧な説明があった。ご紹介する。

・9条の法解釈では「個別的自衛権」の行使は容認されるが「集団的自衛権」は容認されないというのが一般的な法解釈。

・国際法上、個別的自衛権の行使は交戦権の行使にあたるとしているが、日本は防衛省のHPに「自衛権」の定義を「交戦ではない自衛」としている。これは日本が勝手に定義づけしたもの。国際法では「打撃のあるものは武力の行使」は交戦であるとしている。

・ここでいう国際人道法とは、18世紀からの慣習法で、ジュネーブ条約、ハーブ条約、パリ不戦条約などを指す。大きな戦争があるたびに、人類は後悔し、戦争から「非人道化」する努力をし、戦争を違法化する努力をしてきたという。具体的には交戦規定というものが積み上げられて来た。つまり、「捕虜を殺す、病院の人員を殺す、民間人を殺す、敵兵を殺す、原爆を殺す…」というように、戦争のたびに行なわれてきた非人道的なものを禁止することで交戦規定を定めてきた歴史がある。

・そういう積み上げがある国際法の枠の中で現在は戦争が起きている。9.11以降、アメリカはタリバン政権、アルカイダへの報復は、個別的自衛権を理由として敵地攻撃をしたということ。

・日本国憲法9条2項には、陸海空の軍隊を持たないこと、そして交戦を放棄と定めている。<攻撃されても反撃しない>が9条の精神。しかし矛盾が起きている。安保法が成立し、交戦権を認めない国でありながら、自衛隊が交戦している地域に派遣されようとしている。今の時代、内戦も交戦の範囲に入っている。今は公益暴力団にも交際法を守れという時代。交戦が続く地域ではPKO部隊で派遣されている自衛隊も戦闘服を着用している。民間人との識別のためだ。つまり、PKO として派遣されている自衛隊も軍隊として識別されているのが現実。矛盾に満ちた状態、言ってることとやっていることが真逆な状態。だから自衛隊は戻さなければならない。戻せないなら、9条改正をすべき。

・護憲派は「安倍政権打倒」だけで済むのか?9条を本当に大切にしているのか?ここが問われていると思っている。

 

わずか15分ほどのトークだったけど、ものすごく濃い内容かつ、重要な示唆が数多く含まれていた。

すでに南スーダンへ派遣された自衛隊が、交戦地域へ行っているという事実。事なきことが前提で派遣されている危うさを真剣に議論し、政治家を動かすだけの市民の力の結集を何とか図ることができないだろうか…そんなことを考えながら岐路についたのでした。

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