カフェレポート「シュフcafe・シュフとは家をつかさどる人!!」

平成28年・第1弾のK.cafeは、1月16日、主夫芸人・中村シュフさんをお迎えして、すばらしきシュフの世界を語っていただいた。

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そもそも今回の講師、中村シュフさんの経歴が面白い。

「男女雇用機会均等法」が施行され、高校入学と同時に、男女の差別なく高校の授業に追加された「家庭科」元年に高校生。もともと料理なども好きな方で、興味が全くないわけじゃなかったが、家庭科担当の女性教員が「これからは男性が家事や育児をすることが大切になっていく時代だから、よく学ぶように!」という言葉が残り、大学では「家政科」を選んだそう。大学受験の時、男子校で「家政科」を選ぶというのも初めてのことで、進路指導の先生から「受験のための資料を何も提供できない」と言われたという!(笑)さらに面白いのは大学卒業後、芸人の道に進んだということだろう。将来なりたいものは教師か芸人、そして「若い時はチャレンジ」ということで芸人の道に。そしてM-1グランプリ準決勝まで行くもコンビ解散。芸人は日頃、アルバイトを掛け持ちし、芸人の仕事やオーディション、突然入った予定を優先すればアルバイトを辞めざるを得ないこともあるという。芸人は貧乏ほど忙しい。ところが、ある日突然、「芸人やーめた!」となり、忙しかった予定も空いたこともあり、付き合っていた彼女から「家庭に入ってもらえませんか?」というプロポーズを受け、専業主夫の身になったとのことだった。そして、結婚後、芸人仲間の先輩から面白いことになっている、中村を主夫芸人としてラジオに読んでもらい、最近ではあちこちで講演活動を行なっているという。シュフさんいわく「扶養の範囲内で!」という。聞いていた私たちは、つい「それ受ける!(大笑い!)」と場がとても和んだ。もうここまででも笑いの要素満載だったが、本題に入っていやはや、「シュフ」の本質をとらえる示唆に富む素晴らしい内容が目白押しだった。

その一端をご紹介しよう。

〇「シュフ」とは・・・

「主婦・主夫」ではなく「シュフ」の言葉の定義について。

中村シュフによれば、「シュフ」とは「主婦権」を持っている人をさす。

では、「主婦権」とはなにか。

「主婦権」とは、すべての家事をとりしきる権利のことをいう。そしてシュフは、日々の生活を率先してデザインしていく権利を持つ「DESIGNER」である!という。「HOUSE WORK DESIGNER」ですって。(ぜひネイティブ調にお読みください)

中村シュフ曰く、シュフは、空間デザイナーと同じように、日々の生活を自分で作り上げることができる「HOUSE WORK DESIGNER」。日々の不断の努力で「ふだん」の生活を保つために、私たちシュフは日夜、奮闘しているわけ。なんだか、一介の主婦がめちゃくちゃかっこよくないですか!?びっくりですよ。そういう価値あることをしているのだと気づけると元気になってくる。

主夫芸人・中村シュフさん|シュフcafe (K.cafe)

さらに、家事はどこまでが包括範囲であるかについて。

料理・洗濯・掃除の「三大メジャー家事」をはじめ、

家計管理、育児、介護、

家族関係を良好に保つ=仲良くする!、

挨拶をはじめ、ごみ収集所の掃除などのご近所との付き合い、

買い物やクリーニングは企業との付き合いといえ、

環境問題、節電など、地球との付き合いまで。

家事は「笑顔」から「地球防衛」まで 担っている。 「おおーすごいじゃん!」

家事は実に広い範囲にわたっているので、それだけ負担も大きい。

例えば、「具合の悪い子どもを病院に連れていく事」がどのくらい大変な事か、日頃、家事育児をしていない男性には理解できない。

具合の悪い子どもを病院に連れていくためには、おもちゃ、水分、お菓子を持ち、あやしながら順番を待ち、診察では注射を痛がる子どもに「かわいそう」と思い、さらに薬をもらうまでの待ち時間があり・・・・といった事が展開するが、準備と対応の多さにびっくりだろう。すると、男性は「洗濯できないから」とか、「料理できないから」となりがちだ。そうでなく、家事の範囲は広いのだから、<家事のお手伝い>はできる。

お父さんが家族の前でおやじギャグを飛ばし、家族の笑顔に寄与していることだって、十分、家事のお手伝いなのだ!

そんな風に、シュフは家事や家族を調整し、統合していく権利を持つ「CORDINATOR」である。

主夫芸人・中村シュフさん|シュフcafe (K.cafe)

〇家事の本質について

中村シュフは、家事の本質をするどくとらえている。

家事は「タダ」、つまり無償の労働であり資格のいらない労働であるため、社会的評価がされにくい。しかし、家事の目的とは「家族が健康で快適に過ごすための労働」であり、主婦を含めた家族全員が笑顔になることが、家事の本質であるという。自分も家族もみなhappy!ということ。私だけがんばらなきゃ!ではなく、みんなが協力し合ってやっていくことが大事なところだ。

では、笑顔を生み出すにはどうしたらいいの? 「コミュニケーションand コンビネーション」という。

夫は家事に興味を持って、見て聞いて体験する。妻はあきらめず、あの手この手で家事を伝える努力をする。

双方が歩み寄る努力こそ大事なポイント。

たとえば、妻は今日やった家事を書き出してみる、感情でなく冷静に伝えていく・・・ 夫は何が必要か聞いてみる・・・

イクメン、家事メンは世間から見たカッコよさでなく、奥さんにとってのに「イクメン」とは、奥さんにとってのオンリーワンであること。そのためには多くの言葉の交換が大事なのだと痛感した。

他にも、家庭にあった形での家事、オリジナルの家事スタイルを生み出すことの大切さなど、本当に盛りだくさんの講演会となった。

主夫芸人・中村シュフさん|シュフcafe (K.cafe)

〇参加者の感想です!

・内容が受け身でなく、<家事の範囲>を考えたり、いろいろとやっている、頑張っている自分も発見できた。(ミッチー)

・哲学だ!と思いました。すぐに実践できることばかりだったので、早速実践したいと思います。(もぐら)

よもや、「シュフ」は、「笑顔から地球防衛」まで担当しているとは思わなかったけど、守備範囲の広さとその取り組みの、ほどよい加減(良い加減!)、柔らかさがシュフのシュフたる所以であり、防衛を成功裏におさめるコツなのだと感じた。

Kcafeは、一見すると何を扱おうとしているのかわかりにくいと教えてくれる人がいたが、「主婦」が「シュフ」の興味関心、必要と思う大事なところを追求した結果、家庭から地域、政治のことに及んでカフェを展開している。奇しくも中村シュフさんに、シュフの本質を教えてもらい、Kcfae がシュフ目線でやっていることを証明してもらったようでうれしくなった。シュフさん、どうもありがとう。またぜひきてくださいませ!

中村シュフさんについて、興味をお持ちの方、書籍やブログをどうぞ!

http://nakamurasyufu.jugem.jp/

書籍『主夫になってになってはじめてわかった主婦のこと』

主夫になってになってはじめてわかった主婦のこと|中村シュフ