2017.12月のKcafeレポート・憲法変わったら、暮らしってどうなるんだろう?

メリークリスマス!!朝晩は凍てつく寒さに布団からいつまで経っても出られない毎日を送っていますが、お元気ですか?

どちらのお店も「ケーキ」と「チキン」が大売り出しで行列が・・・・寒さに負けず並んでる人、尊敬です。

今年も残すところ、あと1週間ほど。”師走”、文字通り、年末で走り回っているところです。

さて、今年最後のKcafeは、憲法カフェを開催しました。

講師はおなじみ、あすわかの種田和敏弁護士さん。私たちのカフェに最も多く来ていただいている先生ですが、毎回、発見がある楽しいカフェでもあります。

「憲法が変わると暮らしはよくなる?!」どうなの?種田先生、教えてくださーい的ノリでしたけど、今回は赤ちゃんを連れたママや小学生、高校生と一緒に参加のお母さん、インターネットで興味を持ってくださった方、男性のご参加者まで、幅広い世代の参加をいただいて、質問もたくさん出てあっという間に時間がすぎました。当日の様子を一部ご紹介します。

冒頭、いつものかみしばい「王様をしばる法」(インターネットで「王様をしばる法」で検索するとYouTubeでもナレータつきで見られます。)

これ、毎回見てますけど、繰り返し見ることで「?」と思うところが違うのね。最初に出てくる悪い王様。あれって、日本の歴史と符合するところってどこなんだろう?って思ったんですよね。

よく考えてみれば、日本は歴史的には封建社会が長く続いた国で、社会の仕組みが大きく様変わりするきっかけとなったのは開国と明治維新。

それまでの社会はお殿様が民を支配して国を治めていたのですね。よく時代劇だと、悪い代官と商売人が密談をしていて、菓子箱の下に金の小判が見えちゃって「越後屋、おぬしもわるよのー」「お代官様ほどでは」(ウッシッシ)的なシーンだったり。借金の肩に娘が売り飛ばされるシーンとかがあったと思ったら、国の財政を立て直し、民の暮らしを守る立派な殿様の話など、人情物のドラマが多かったりする。実はそういうドラマによって歴史を把握していることが多いけれど、根本的な仕組みはわかっていないような気がします。

明治維新の後、日本は西洋に倣い、「大日本帝国憲法」を制定したわけだけど、これっていわゆる「ケンポー」。名前こそ「憲法」と言ってるけど、国民の権利の範囲を「国(明治憲法の場合は“天皇”)が認めた範囲でならいいよ」と言っているもので、今の憲法のように「立憲主義」に基づいたものではない。

その憲法に基づいて国の形が治められて来たけれど、明治開国から第2次世界大戦で日本が負けるまでの間、実は日本は独立国として歩むために列強と戦争をくりかえす70年間だったわけで、ものすごい犠牲を経て、今の「日本国憲法」が謳っている<基本的人権の尊重><国民主権><平和主義>といったものを定めた本当の意味の憲法が作られたのだなあ・・・と。実はあのコミカルな紙芝居の中にはそういう血で血を洗う争いの上で権利を獲得してきた歴史もバックボーンに描かれているのだと、はたと気づいたわけです。

いやあ、歴史をしっかりと紐解くってとっても大事!!

そんなことを感じつつ、今回の主題である、安倍政権が出そうとしている改憲案に。

ざっくりいうと4項目を変えようとしている。

①9条に「自衛隊」を追記する ②緊急事態条項を新設する ③参議院の合区の解消 ④教育の無償化の4つ。

それぞれの解説をしてもらったが、一つよくわかったことは、

①9条に自衛隊を追記するということは、海外に自衛隊を派兵するときに合憲状態に制度を整えることであり、

②緊急事態条項の新設は、国内で内閣の権限が最大限に及ぶよう、制度を整えるということである。

これまでの憲法が守ってきたものをまるっきり違う方向へ変えようとしているということ。

感情論で過剰に反応することは避けるべきであるが、一つ一つの中身を知らずに国民投票に突入するのを避けたいとしたら、

時間はあまりないが、伝える努力はせねば・・・と感じました。

参加者からのコメントです。

・掘り下げて話をしてくださったので、分かりやすかったです。もし、国民投票になった際の見極めポイントが明確になりました。(macky)

・憲法を義務教育で学んだ時、さっぱりわからなかったのですが楽しく学べました。(yocci)

来年は憲法改正の議論が市民レベルでも活発になるよう、私たちのカフェでも引き続き憲法カフェを開きたい!と思う時間となりました。