「ほめる」ということ

先日「奇跡体験!アンビリーバボー」という番組で、あるホテルの経営再建ヒストリーがやっていました。総支配人の、「このホテルで働くことができて幸せだ」と従業員が感じるホテルであれば、お客様にもその精神は伝わるとの考えから経営再建をされていく内容でした。総支配人は、従業員一人ひとりのことをよく観察し、お客様に喜んでもらえるような心のこもったサービスを行なった人、見えないところで努力している人を表彰しながら、チーム一丸となってお客様への温かいおもてなしを展開していました。困難な出来事もチームワークで乗り切って、見事に経営再建を実現された物語でした。ただ仕事をすればそれでいいというところに終わらず、人としての価値を発見し、「しっかりと見ていますよ。ありがとう。」と相手に伝える姿勢に感動し、私もそんな人になりたいと思いました。

2週間ほど前、「ほめ達検定1級」の試験を受験してきました。「ほめ達」検定とは、「日本ほめる達人協会」主催の検定試験のこと。ほめる達人協会が考える「ほめる」とは、人・モノ・出来事の価値を見つけ、伝えること。この考え方に共鳴し、今年一年間、検定試験に挑戦してきました。「ほめる」という生き方を自分の人生の中に選びとって、人・もの・出来事にある尊い価値=宝物を見つけることができ、それを共に分かち合い、喜びあえるとしたら、こんないい人生はないなあと思ってチャレンジし、実践してきました。1級試験では2分間スピーチや論文などを通して、ほめ達実践してきたことを確認する機会になりました。2分間スピーチのお題は「ほめ達になって起きた素敵な出来事」。私は主人と娘との間で分かち合った素敵な出来事をスピーチさせてもらいました。

私は今年一年、あちこちに出張で出かけるたびに家をあけることが多くなりました。充実した仕事とは裏腹に、あったかいごはんを主人と娘に用意できないことを心の寂しさに持ちながらの出張でした。出張から帰るといつも「ありがとう。お世話になりました。」と言って主人にお礼を伝えます。すると主人は、「お世話しました」という返事。主人はけっして嫌味を言っているわけではないけれど、それを聞く私の気持ちの中に、チクリとした痛みのようなものがありました。それでもくり返しほめ達の合言葉、「すごい・素晴らしい・さすが」の3Sを実践し続けていました。そして、ある時、出張からの帰り、いつものように主人とのやり取りをした後、ふと気づいたのです。「そうか、主人の<お世話しました>という言葉は、夢を持ち歩んでいる私を心から応援しようと支えてくれている気持ちの表れなのだ。そうやって私を活かし、私の夢を後押しすることが主人の喜びなのだ。そうに違いない!」そう気づいて、そのことを伝えると主人はにこっと笑いながら、「お世話しました」と一言。私は自分の一番近くにいてくれる主人の本当のすばらしさに気づくことができた喜びで嬉しくなりました。そして、隣で聞いていた娘からも「お世話しました」という言葉。出張から帰るたびに心温まるひと時になっています。

こんなスピーチをさせてもらい、あらためて尊い価値に気づくことのすばらしさ、喜びを味わった瞬間でした。検定の合否以上の、今年一年、努力できたこと、これからも努力し続けようと思った時間となりました。

「ほめ達」興味ある方はこちらをどうぞ。 http://www.hometatsu.jp/