憲法カフェ 編集こぼれ話 「政党に占拠された国会?」って・・・(苦笑)

K.cafe  憲法カフェ 編集こぼれ話 「政党に占拠された国会?」って・・・(苦笑)

バーチャル憲法カフェ。
第2回連載は「前文」がテーマでしたが、お楽しみいただけましたでしょうか?今日はコーヒータイムのお供をお届けにまいりました。
「編集こぼれ話」は、種田先生とcafeスタッフの実際のやりとりがベースになっています。(これ、不定期連載ですよ!)
私たちスタッフも素人ながら編集作業のお手伝いを!と意気込むものの、できることといえばパソコンで原稿の打ち込みをするくらい。必死に打ち込んだ原稿を種田先生に確認してもらった時のこと。

種田先生の返信には<「政党に占拠された」を修正してください>と一言。
「?」「・・・」しばし、目がテン。「政党に占拠された」・・・
どこにそんな言葉があるのか、眼を皿にして原稿を読みかえしますが、見つかりません。・・・。まさか・・条文か?と思い、前文を読み返すと、「キターーーーッ!!」。

(誤)日本国民は、政党に占拠された国会における代表者を通じて行動し、
(正)日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、

「正当に選挙された国会における代表者」を「政党に占拠された国会における代表者」って。
まさかの珍変換も見逃さないところはさすが!!そして種田先生からはこんな「おかわり」も届きました。
(以下、種田先生からの返信メール)

「政党に占拠された国会」というのは、実は憲法の想定するところです。
憲法に政党という文字は出てきませんが、議院内閣制は政党を前提として、
政党が国民の意思を効果的に反映する媒介として、無所属の議員に占拠された国会よりも、
政党に占拠された国会が憲法の想定する民主主義、国民主権の姿です。
問題は、政党が、憲法が想定するとおり、国民の意思を反映しているかという点です。
私は、「否」だと思っていて、その原因は政党にあるというよりは、私たち国民にあると思っています。
憲法が理想とする国民主権や民主主義は、憲法に書いてあるからと言って、常にあるものではなく、不断の努力で私たちが維持していくもの(実現していくもの)だと思います。

「政党に占拠される」国会が国民の意思を反映したものと聞いて、ピンとこなかった平和ボケの自分に喝!でした。戦後、国民が主権を持ち、選挙で代議士を判断して選ぶ時代になって75年。国民一人ひとりが自分の意思を伝え続け、国会で行われていることに対して必要な声をあげていく努力。今は日本国民みんながそうなっているとは言えない状況ですが、気づいた人がやり続け、周りの人を巻き込みながら力を合わせることで国民主権や民主主義を維持できるのだとしたら、がんばらないといけないな、と鉢巻を締め直したスタッフでした。


種田弁護士のプロフィールはこちら

次回掲載は、10月28日の予定です。

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